登録抹消された世界遺産世界遺産(写真・地図)

このページは「登録抹消された世界遺産」に関しての情報です。

スポンサードリンク




◆世界遺産(当サイトに付いて)

・世界遺産の緯度経度を掲載しております。
世界遺産の緯度経度は、ユネスコ公式サイトにも掲載されていますが、精度が悪く使い勝手が悪いので。当サイトでは世界遺産の、詳細な緯度経度を掲載しています。
広範囲に渡るものなどは、中心地域や中心的建造物などにスポット当てています。
また、アフリカの国立公園のような、超大規模の物も中心地域の緯度経度で表示しております。

・タイトルのリンク先
flickr(写真共有サイト)の関連写真にリンクしています。

・緯度経度のリンク先
緯度経度をクリックすると「Panoramio(地図と写真のマッシュアップサイト)」に飛びます。
世界遺産の地図と、様々な写真が載っていますので是非ご覧ください。

世界遺産を地図と写真でお楽しみください。

ドレスデンにおけるエルベ渓谷

ドレスデンにおけるエルベ渓谷

2004年登録2009年登録リストから抹消。


緑がエルベ渓谷コア地域。
赤い部分が架橋予定地。


より大きな地図で ドレスデンにおけるエルベ渓谷 を表示



(47NEWS)
スペインのセビリアで開催された国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産委員会は25日、ドイツ東部の古都ドレスデン中心部を流れ、橋建設が問題となっていた「エルベ渓谷」を世界遺産の登録から抹消することに決めた。世界遺産の登録抹消は2007年のオマーン「アラビアオリックスの保護区」に次いで2件目。

 抹消理由について、ユネスコ側は「建設中の橋が文化的な景観を損ねた」と説明した。

 「エルベのフィレンツェ」と呼ばれるドレスデン周辺の渓谷は、04年に世界遺産に指定された。しかし、地元自治体が市内の渋滞緩和を目的に05年、住民投票を実施して橋の建設を賛成多数で決定した。

 これに対して、ユネスコは、橋の代わりにトンネルを建設する代替案を提示。地元側が費用がかさむことなどを理由に反対し、建設を続けたため「建設を中止しなければ登録を抹消する」と警告していた。


登録基準

この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた。

* (2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
* (3) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
* (4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
* (5) 特に、不可逆的な変化の中で存続が危ぶまれている、ある文化(または複数の文化)を代表する伝統的集落または土地利用の際立った例。

ヴァルトシュロッセン橋問題と世界遺産登録抹消


架橋に対する住民投票

ドレスデン・エルベ渓谷は、2004年の第28回世界遺産委員会において世界遺産に登録されたが、渓谷には以前よりドレスデン市街の渋滞緩和を目的とした架橋計画(全長635m、4車線のヴァルトシュロッセン橋[en])が存在していた。世界遺産登録により、登録を推進した住民と橋の建設を推進したい住民との間で軋轢が生じ、2005年には橋の建設の是非を問う住民投票へとつながった。住民投票では、建設賛成票が67.9%に達したため、計画が実行に移されることとなった。


第30回(2006年)世界遺産委員会の動き

ユネスコの世界遺産委員会では、橋の建設が景観の広がりを分断・限定すると判断。一帯の文化的景観が損なわれた場合、もはや世界遺産としての「顕著で普遍的な価値」は認められないとの認識を示し、非公式にトンネルなどの代替施設の建設を求める一方、「危機にさらされている世界遺産」リスト(危機リスト)への登録もしくは世界遺産リストそのものからの除去を検討する動きを見せた。

世界遺産委員会からのプレッシャーの中、ドレスデン市議会は、委員会が開催される直前の2006年6月20日、橋の建設のための最初の競争入札を差し止める条例案を可決。建設は一時中止された。翌月、7月8日から開催された委員会では、ドレスデン・エルベ渓谷を危機リストに登録こそしたものの、世界遺産リストからの除去の決定は無く、警告にとどめられた。これらの経緯に不快感を持った地域住民などの間で、世界遺産の保護は地元に住む一般市民(直接民主主義)による決定よりも優先されうるべきかということも議論となった。


自然保護団体による裁判

一方、橋の建設に反対する一部の自然保護団体は、渓谷に住む希少種であるキクガシラコウモリの存在を理由に建設撤回を求め提訴していたが、2007年8月9日、ドレスデン行政裁判所は訴えを認め、建設を当面差し止めるよう命令した。この命令に対し、ドレスデン市ではなくザクセン州が控訴。同年11月14日、ザクセン上級行政裁判所は、一審の判決を覆し、橋梁上での自動車の走行に速度制限等を付することを条件に建設を認める判決を出した。5日後の11月19日には建設が再開され、土砂の掘削が始められている。


第32回(2008年)・第33回(2009年)世界遺産委員会の動き

第32回委員会で再び「警告」が出され、橋の建設が中止されないようであれば第33回(2009年)世界遺産委員会において登録リストから抹消する方針が確認された。そして、警告どおりに2009年6月25日、世界遺産リストからの抹消が決議された。抹消されたのはオマーンの「アラビアオリックスの保護区」(2007年)に次いで2件目である。

オマーンのアラビアオリックス保護区(自然遺産)

1994年登録、2007年に登録抹消。


大きな地図で見る


アラビア海からの湿った風が、この地域の独特な生態系を育んでいる。その風のおかげで、砂漠地帯であるにもかかわらず、絶滅危惧種を含む珍しい植生が見られるのである。

動物相で特筆すべきは、保護区の名前にある通りアラビアオリックスである。この動物はユニコーンのモデルになったとも言われる美しい角が特徴だが、その角を狙った狩猟の対象にもなり、数を減らしていった。そして、1972年には野生種は絶滅した。

オマーン国王カーブース・ビン=サイードは、アラビアオリックスの保護区の設定を目指し、1982年にアメリカ動植物保護協会から譲り受けた10頭をこの地に再導入し、世界で初めての試みとして、放し飼いで野性に帰した。

アラビアオリックス以外で棲息している特徴的な哺乳類や鳥類には、以下のものがいる。

* アラビアオオカミ (en:Arabian Wolf)
* アラビアガゼル (en:Arabian Gazelle)
* カラカル
* ヌビアアイベックス (Nubian Ibex)
* フサエリショウノガン
* ラーテル
登録基準

この世界遺産は世界遺産登録基準における以下の基準を満たしたと見なされ、登録がなされた。

生物多様性の本来的保全にとって、もっとも重要かつ意義深い自然生息地を含んでいるもの。これには科学上または保全上の観点から、すぐれて普遍的価値を持つ絶滅の恐れのある種の生息地などが含まれる。

登録抹消理由

登録から間もない1996年には400頭にまで達したものの、以降は密猟の取締りの不十分さなどから数を大幅に減らした。さらに、オマーン当局が保護区の設定区域の90%削減を打ち出した結果、第31回世界遺産委員会(2007年)で世界遺産としての「顕著で普遍的な価値」は喪われたと判断された。



1