◆世界遺産(当サイトに付いて)
・世界遺産の緯度経度を掲載しております。
世界遺産の緯度経度は、ユネスコ公式サイトにも掲載されていますが、精度が悪く使い勝手が悪いので。当サイトでは世界遺産の、詳細な緯度経度を掲載しています。
広範囲に渡るものなどは、中心地域や中心的建造物などにスポット当てています。
また、アフリカの国立公園のような、超大規模の物も中心地域の緯度経度で表示しております。
・タイトルのリンク先
flickr(写真共有サイト)の関連写真にリンクしています。
世界中から集まった写真でお楽しみください。
・緯度経度のリンク先
緯度経度をクリックすると「Panoramio(地図と写真のマッシュアップサイト)」に飛びます。
世界遺産の地図と、様々な写真が載っていますので是非ご覧ください。
世界遺産を地図と写真でお楽しみください。
世界遺産について
私もその中の一人です。
このサイトを作るきっかけとして
実際に世界遺産を全て周る事は不可能に近いですが。
インターネットの普及で「写真や、地図から」世界遺産を肌で感じられる事が解ったからです。
実際、このサイトを作るに当たって、全ての世界遺産の写真や地図を見た訳ですが。
様々な興味深い物を知ることが出来ました。
ヨーロッパなどでは、全域にローマ帝国の遺跡が登録されており、ローマ帝国がいかに勢力を誇っていたかを実感します。
中南米のマヤ文明が非常に広範囲な事も、興味深いものでした。
自然遺産でも、フィヨルドや氷河などの成り立ちや、そこから出来た驚くべき景観に畏怖さえ感じる事もありました。
動植物の保護区も多数登録されており、自然を守ることの意義も感じることが出来ます。
闇雲に動物の保護区を世界遺産にしている訳でなく、世界遺産登録を抹消されたオマーンの「アラビアオリックスの保護区」のように、人々に守る意識が無いものへの価値を見出してはいません。
モンサンミッシェルなどの建造物も
「一体どうやって建てたんだろう?」などという、単純に驚いてしまいますし。
また、橋を作ったことで(1800年代後半)湾が埋もれていく事を回避するために、橋を見直す。
そういう、文化を守る姿勢なども興味深い物でした。
別の意味で興味深かったりするのが
「あれ?あの有名な観光地はなんで登録されていないんだろう?」
の様な事もあります。
アントニ・ガウディの作品群でも、代表作であろう「サグラダ・ファミリア」は2005年の追加登録だったりします。
これは最初に登録されなかった背景は解る気がしますが。
また、登録年度でも2000年より前に登録された物は、やはり誰もが納得するような物件が多いです。
世界遺産を見ることで、新たな発見や感動があれば。
そして、そのお手伝いが当サイトで少しでも出来れば幸いです。
富士山―信仰の対象と芸術の源泉
富士山―信仰の対象と芸術の源泉
-構成物件-
富士信仰富士山を神と見立て信仰・崇拝の対象、浅間信仰(富士浅間信仰)に関する信仰の対象の物件
(1)富士山域(山頂の信仰遺跡、大宮・村山口登山道、須山口登山道、須走口登山道、吉田口登山道、北口本宮冨士浅間神社、西湖、精進湖、本栖湖)=山梨、静岡両県
(2)富士山本宮浅間大社=静岡・富士宮市
(3)山宮浅間神社=静岡・富士宮市
(4)村山浅間神社=静岡・富士宮市
(5)須山浅間神社=静岡・裾野市
(6)冨士浅間神社=静岡・小山町
(7)河口浅間神社=山梨・富士河口湖町
(8)冨士御室浅間神社=山梨・富士河口湖町
富士山信仰を支えた御師(おし)の家・信仰の対象
(9)旧外川家住宅=山梨・富士吉田市
(10)小佐野家住宅=山梨・富士吉田市
芸術の源泉
(11)山中湖=山梨・山中湖村
(12)河口湖=山梨・富士河口湖町
(13)忍野八海・出口池=山梨・忍野村
(14)忍野八海・お釜池=山梨・忍野村
(15)忍野八海・底抜池=山梨・忍野村
(16)忍野八海・銚子池=山梨・忍野村
(17)忍野八海・湧池=山梨・忍野村
(18)忍野八海・濁池=山梨・忍野村
(19)忍野八海・鏡池=山梨・忍野村
(20)忍野八海・菖蒲池=山梨・忍野村
燃えつきた樹幹の跡が空洞として遺存した洞穴が内部の形態が人間の内臓を刳り抜いた胎内に似たものが「御胎内」と呼ばれて信仰の対象となり、「胎内巡り」と称して洞内を巡る信仰行為の場所信仰の対象
(21)船津胎内樹型=山梨・富士河口湖町
(22)吉田胎内樹型=山梨・富士吉田市
(23)人穴富士講遺跡=静岡・富士宮市
芸術の源泉
(24)白糸の滝=静岡・富士宮市
(25)三保松原==静岡・静岡市
2013年新規世界遺産
物件名 | 物件名 | 国 | |
Xinjiang Tianshan | 新疆天山 | 中国 | 自然遺産 |
Mount Etna | エトナ山 | イタリア | 自然遺産 |
El Pinacate and Gran Desierto de Altar Biosphere Reserve | エルピナカーテとグラン・デジエト・デ・アルタ生物圏保護区 | メキシコ | 自然遺産 |
Namib Sand Sea | ナミブ砂漠 | ナミビア | 自然遺産 |
Tajik National Park (Mountains of the Pamirs) | タジク国立公園 | タジキスタン | 自然遺産 |
Red Bay Basque Whaling Station | レッドベイのバスク人捕鯨基地 | カナダ | 文化遺産 |
Cultural Landscape of Honghe Hani Rice Terraces | 紅河ハニ族の棚田群の文化的景観 | 中国 | 文化遺産 |
Historic Monuments and Sites in Kaesong | 開城(ケソン)の歴史的建造物 | 北朝鮮 | 文化遺産 |
Levuka Historical Port Town | レヴカの歴史的港町 | フィジー | 文化遺産 |
Bergpark Wilhelmshöhe | ヴィルヘルムスヘーエ公園 | ドイツ | 文化遺産 |
Hill Forts of Rajasthan | ラージャスタンの丘陵砦 | インド | 文化遺産 |
Golestan Palace | ゴレスタン宮殿 | イラン | 文化遺産 |
Medici Villas and Gardens in Tuscany | トスカーナ地方のメディチ家の別邸と庭園 | イタリア | 文化遺産 |
Fujisan, sacred place and source of artistic inspiration | 富士山・信仰の対象と芸術の源泉 | 日本 | 文化遺産 |
Historic Centre of Agadez | アガデスの歴史地区 | ニジェール | 文化遺産 |
Wooden Tserkvas of the Carpathian Region in Poland and Ukraine | カルパティア地方の木造聖堂群 | ポーランド・ウクライナ | 文化遺産 |
University of Coimbra Alta and Sofia | コインブラ大学 | ポルトガル | 文化遺産 |
Al Zubarah Archaeological Site | アル・ズバラの遺跡発掘現場 | カタール | 文化遺産 |
Ancient City of Tauric Chersonese and its Chora | タウリク半島の古代都市とコーラ | ウクライナ | 文化遺産 |
Mount Kenya-Lewa Wildlife Conservancy | ケニア山・レワ野生生物保護区 | ケニア | 自然遺産(範囲拡大) |
Maloti Drakensberg Tranboundary World Heritage Site | マロティドラケンズバーグ・トランバウンダリー | レソト・南アフリカ | 複合遺産(範囲拡大) |
Wieliczka and Bochnia Royal Salt Mines | ヴィエリチカとボフニャ王立岩塩鉱 | ポーランド | 文化遺産(範囲拡大) |
富士山―信仰の対象と芸術の源泉
富士山が世界遺産に登録されました。
各テレビ局でもニュースで取り上げられ、また特に三保の松原も登録物件として承認されたことはニュースにもなりました。

さてまあ個人サイトとしましては、ニュース的な話ではない部分を。
まず富士山は1992年の日本が世界遺産条約を批准した段階で自然遺産として世界遺産登録を目指しました。
個人的に自然遺産での登録は無茶があったような気もします。
1992年と言えばまだ「世界遺産」に日本人が全く馴染みが無かった時代。
なにしろ125番目の締約国としてやっと世界遺産条約に加盟した年。(1973年にアメリカが最初に条約を批准し、1975年に加盟国が20か国で発足)
今でこそ世界遺産大好きな国民ですが、日本の世界遺産プロジェクトへの参加は遅く、初期は否定的だった国だと言うことをご存知の方は逆に少ない様な気もします。
そんななかでの富士山の世界遺産登録を目指すというプロジェクトですので、少々勘違いな「自然遺産」で目指してしまっていたのでしょう。
ただ、自然遺産での登録が不可能だからといって、富士山の持つ日本の象徴的な景観と言う事には変わりなく、山岳信仰と言う価値での2003年「文化遺産」を目指すことになります。
世界遺産を目指す場合
1、その物件(今回であれば富士山)の遺産としてのテーマ
2、物件を構成する施設とその価値と意義
3、そしてその普遍性など
個人的に日本人の国民性として、世界遺産を目指すから普遍性を保つように努力をと言うのは、各自治体がかなり頑張るのでクリアの基準などは生態系などの部分などかと思うのですが。
何しろ日本人の国民性でもあるのか、自治体毎の縦割りであったりなどの様々な調整が中々難しいと見て取れます。
例えば、平泉の際でも最終的に平泉町の物件だけになってしまいましたが、周辺自治体でも物件を提案し、そしてその物件が世界遺産登録されることに準備をしていました。(個人的には骨寺村の荘園の農村景観などは好きでしたが)
平泉の場合でもテーマと物件と言う部分で物件を削除することになったわけですが、その線引きは曖昧であり、所謂ロビー活動があればと言う気もしないでもありません。
三保の松原も近藤誠一文化庁長官のロビー活動が実を結んだ。
そしてニュースでも拝見しましたが、会議もその場の雰囲気次第で中々シュールに流れが変わると言うのが伝わってくる感じで、世界遺産登録への駆け引きなどが伺われたシーンでした。
今回やっと足掛け20年ほどの世界遺産への登録を目指した活動が実り富士山が世界遺産に登録されたことは喜ばしいことであります。
余談ですが、鎌倉は「不記載」。
これほど厳しい評価とはと思いますが、中々世界的に見ても当時の物件が皆無の物が登録されることは珍しく。
ワルシャワ歴史地区のように戦争での負の遺産でありながら当時を再建している物件しか思い当たるものはなく、中々厳しい道程といえるでしょう。
-構成物件-
富士山―信仰の対象と芸術の源泉('Fujisan, Sacred place and source of artistic inspiration')
(静岡県静岡市、富士宮市、御殿場市、裾野市、駿東郡小山町、山梨県富士吉田市、南都留郡富士河口湖町、山中湖村、忍野村、南巨摩郡身延町)(2013年6月登録)
構成施設
富士山域
山頂の信仰遺跡群
大宮・村山口登山道(現・富士宮口登山道)
山口登山道(現・御殿場口登山道)
須走口登山道
吉田口登山道
北口本宮冨士浅間神社
西湖
精進湖
本栖湖
富士山本宮浅間大社
山宮浅間神社
村山浅間神社
須山浅間神社
冨士浅間神社
河口浅間神社
冨士御室浅間神社
旧外川家住宅
小佐野家住宅
山中湖
河口湖
忍野八海 出口池
御釜池
底抜池
銚子池
湧池
濁池
鏡池
菖蒲池
船津胎内樹型
吉田胎内樹型
人穴富士講遺跡
白糸ノ滝
三保松原
富岡製糸場と絹産業遺産群が正式に推薦決定し、2014年での世界文化遺産の登録を目指す
文化庁が「富岡製糸場と絹産業遺産群」を国として正式に推薦決定し、2014年での世界文化遺産の登録を目指すことが決まりました。
今後の推薦手続きに関しては
http://worldheritage.pref.gunma.jp/pdf/suisen.pdf

富岡製糸場と絹産業遺産群とは
1872年に明治政府が設立した日本初の官営の器械製糸場である「富岡製糸場」を中心に
伊勢崎市の田島弥平旧宅、藤岡市の高山社跡、下仁田町の荒船風穴の合計4物件。(提案書ではもっと物件があったのですが、ニュースによると4物件での推薦のようです。平泉での失敗をしないように物件数をしぼったのでしょうか?)
・田島弥平旧宅
通風を重視した蚕の飼育法「清涼育」を大成した田島弥平が、文久3年(1863)に建てた主屋兼蚕室
・高山社跡
明治16年(1883)、高山長五郎が、通風と温度管理を調和させた「清温育」という蚕の飼育法を確立しました。そして翌年、設立されたのが養蚕教育機関高山社です。
・荒船風穴
明治38年(1905)から大正3年(1914)に造られ、岩の隙間から吹き出す冷風を利用した蚕種(蚕の卵)の貯蔵施設です。
富岡製糸場は世界遺産としては「産業遺産」となります。
世界遺産になった産業遺産として
日本では「鉱業」の石見銀山遺跡とその文化的景観。
他でも、「製鉄業」「製塩業」「紡績業(ここに富岡製糸場と絹産業遺産群が当てはまる)」「製紙業」などなど多岐にわたっています。
世界的工業国家になった日本の工業の発祥ともなった富岡製糸場。
個人的に世界遺産としての価値は十分過ぎるくらいにあり、当時の日本の世界の中での位置づけを知るのに重要な資産だと思います。
これは提案書をまず読んでみていただくと良いかと思います。
http://worldheritage.pref.gunma.jp/ja/download2.html